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2018年12月30日 (日)

田川紀久雄日記

今日は最新作の詩集から詩を一篇載せてみよう

  千羽鶴 

病室で祈って折った千羽鶴が
きっとひかりに向けてとびたっていくに違いない
同じ病で臥せっている友達の所へ

詩語りの聲も祈りである
それならば何故か聲が届かないのだろうか
同じ病でくるしみ嘆いている人たちに

幸せになりたいと夢を追う
原爆ドームの前に飾られている千羽鶴は
数多く亡くられた人々の魂に届いていくのだろうか
生きている人は祈りを込めて丁寧に一羽の鶴を折り込んでいく
亡くられた魂が少しでも癒されることを願って
私はヒロシマもナガサキ」もまだ行ったことはない
一度はあの広場で路上ライブを行いたい
そのようなことに許可は下りないだろう
いつもの公孫樹の下で語り続けるいる祈りは
ひかりの中を折り鶴になって飛んでいるのかもしれない

戦争でも原爆は使用すべきでなかった
原発でも平和利用などと考えるべきではなかった
今も多くの人たちが病で」苦しんでいる
幸せも平和も二度と戻らない
いくら祈りを捧げても
二度と同じ過ちを繰り返さないように
祈る
生きている人間はそれしかできない
いかにこの世を平和へと導いてくれている
平和の美しいひかりはこの宇宙を包み込んでゆく
祈ろう
ひたすら祈ろう
それしかできなくても

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