田川紀久雄日記
『詩と思想・10号』で私の詩集『叢生』を原田もも代さんが紹介してくれた感謝。「詩と思想」で取り上げてくれても、詩人たちの聲について誰も書かない。いや書けないのだろう。現代詩は聲そのものから乖離している。詩人たちが朗読すると聲が立ち上がることができない。現代詩の欠陥が聲の前では無残に崩れ去ってゆく。そのために天童大人氏は聲というものを何とかしなければとの思いで「詩人の聲」を立ち上げた。でもその道のりは困難を伴っている。
詩人は専門の朗読家でもなければ俳優でもない。あくまで詩人でしかない。そのためか他者の聴かせる内的な要素が足りない。どこの世界でも詩人の朗読が馬鹿にされている。そのことに気付いていない。詩人しかできない聲というものがあるはず。なぜそれを追及しないのだろうか。それを追い求めて詩集にしてきた。でもそのことは誰も気づかない。末期ガンになって大変でしょう、頑張ってください。これでは困ってしまう。詩人たちは私を招いてまで聲を聴こうと誰もしない。いや今の私は詩人たちの前ではほとんど行わないでいる。いまは本当に聴くに与えするCDを制作することを目指している。詩人たちはあまりにも聲について無関心すぎる。
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