田川紀久雄日記
これからは寝苦しい夜が続くと思うと耐えがたい気分になる。私の家の前の住人はクーラーがない。いつも玄関のドアをあけっぱなしだ。川崎のアパートの住人でこのクーラーを取り付けていない人たちが多い。それだけ貧困層が多い。私がクーラーを取り付けたのは末期ガンで治療をやめたからだ。夏ぐらい快適に過ごしたいと思ったからである。巣鴨に住んでいた頃もクーラーをつけることはなかった。しかし夏の暑さがだんだん異常の暑さになってきた。猛暑が何日も続く。地球規模の異常気象になってきた。豊かさが増すにしたがって温暖化になってゆく。それだけ公害が増している。
核の絶滅など今の世界情勢では考えられない。日本は核を持っていないが、原発があるということは核があると同じことになる。女優さんたちが、夏になると原爆をテーマにした詩の朗読会を行っている。気迫のこもった聲で朗読を行っている。詩人たちが戦争や原爆の詩を朗読しているのを見たことや聴いたことがない。かつて私は竹内浩三の詩を語っていた。まは他人の詩をほとんど語らなくなった。自作詩を通じて鎮魂歌を天空に叫んでいる。
吟遊詩人として今日もいつもの公園で亡くなっていった人たちに、心をこめて愛の鎮魂歌をかたりたい。
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