田川紀久雄日記
今日から仕事始めの人が多いだろう。私のところは相棒は元旦から仕事に出かけた。そして私はいつものように語りの稽古を二時間ほど行なった。貧乏暇なしの生活だ。年金生活者や無収入に近い人達にとって四月にあがる消費税は大変な重荷になる。それにしても物価が高騰しているので日々の暮らしも辛い。経済の発展には光と影がある。これでもっと貧富の差が拡げられていく。つましくても人間らしい生き方をして行くほうが幸せの有り難さを身に染みる。
物書きはつねに闇を背負い込んでいる。その闇を食いつぶしながら物を書いていく以外に何も出来ない。その闇を凝視する眼を失った時、物が書けなくなる。だから物書きにとって貧しい生活は、それほど苦にならない。世の中はマイナスにいる方が世の中がよく見える。昔から詩人は貧乏であった。この貧乏詩人が少なくなった。そのために詩の深みが消えてきている。病と貧乏は詩人の特権であった。それを失ったら、ただの人になる。哀しみを愛に変えるのが詩人の仕事でもあった。
今日は小寒である。私は完全に風邪を引いてしまった。鼻水と咳が止まらない。
詩誌受贈『環・148号』
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