田川紀久雄日記
操車場の原稿がやっと集まった。80号までたどり着けるとは想像もしていなかった。始めは行けるところまでいけばよいと思っていた。だから手作りで行なってきた。手作りで作ることに愛着を感じるようになっている。いまのプリンターも性能が良くなっている。問題はあくまで家庭的なプリンターであるので壊れやすい。それとインクが高すぎる。印刷・製本まで三日もかかる。
いま同人詩誌を見ていると印刷が薄くなっている。活字を読むという点から見ると読みずらい。手作りだとその点インクの濃さは調整できる。詩集でも同じことが言える。詩集出版社の大手でも、読みずらい詩集が増えている。百万円かけても虚しさを感じる。老人になってくると眼も悪くなってくる。はっきりと印刷されたものを読みたい。
詩の関係でいうと、詩そのものへの情熱があまり感じられなくなってきている。何を書いてゆくのかが解らない詩が多い。それは書く側の痛みが足りないからだと思う。詩人で大切なのは、この痛みを通して希望を見出していくことではなかろうか。そして生きることに諦めなければ、この時代を変えていく力も生まれてくる。そう信じて生きていたい。
詩誌受贈『榛名団・9号』『国鉄詩人・262号』
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