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2013年12月20日 (金)

田川紀久雄日記

柳澤桂子著『癒されて生きている』五年前に一度読んでいたが、また読み直している。今の医師はパソコンの画面だけを見ていて患者そのものを見ていない。患者より数字が大切なのだそうだ。それは患者があまる多すぎて丁寧に見る時間がないのかもしれない。昔のように町医者もほとんどなくなった。医師と患者の人間的な付き合いが出来ない。いま老人達をみているとあまりにも多すぎる薬を与えられる。ほとんど必要のない物があるのではないかと思われる。人間には自然に自分の力で治そう免疫力がある。何でもかんでも薬で治そうというところに無理がある。
私の末期ガン治療もこの自然の力を利用して取り組んでいる。生きることにつねに前向きでいること。そのためには何かはっきりとした目標を持つことである。いまは詩集を上梓して、それを語ることに懸命に生きている。花伝書ではないが、懸命に精進をしていると芸の深さを摑むことで自分の心が励まされる。一冊の詩集を自分の身体に染み込まさせるにはやはろ千回以上語りこまねばならない。そこから語りの面白さが出てくる。これは並みの詩人にはできない。私はこの末期ガンのおかげでこうして毎日精進していられる。だから末期ガンに感謝している。自分の身体を身ながら「ありがとう」と呟いている。生きることは免疫力をつけることに繋げていたいからだ。来年の三月ごろこのことについて語れる場所があるかもしれない。

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