田川紀久雄日記
I氏の身体が相当悪いらしい。手紙をもらっても私にはどうすることも出来ない。私と同じ歳である。生きていることはとても辛いだろう。奥さんが大変だと思う。生きようとする意思があれば、いろいろとやってやることができるが、生そのものを諦めたら何もできない。
ガン患者も自殺する人が多くいると聴くが、その気持ちも解らないではないが、最期まで生きようという気持ちは持ってもらいたいものだ。カトリックは自殺をすることを拒否している。キリストのように最後まで苦しみ抜くことが大切なためなのだろうか。私は末期ガンの宣告を受けて身体的にも苦しい中でも死のことは一瞬たりとも考えたことはなかった。いま私の周囲で多くの人たちが病と闘っている。頑張ってくれともいえない。ただ黙って見守るしかないのだろう。末期ガン者は、誰とも会うことを嫌がる。死は生の一部であるという考えが私にはある。ただ素直に受け入れていくしかない。いま生きているうちにやれることは全部やっておきたい。だから詩集代のメドがたては次の詩集を印刷所に回す用意が出来ている。詩語りライブは、お客が来るかどうかを危惧しない。誰も来なくても行なってゆきたい。ビデオに残しておきたい。最後まで闘う姿勢で生きていたいと願う。次のライブは九月十五日である。身体が何とか動けるうちにしか出来ないのだから、語りの世界を深めてゆきたい。
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