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2009年8月18日 (火)

田川紀久雄日記

内面的な聲を出すのはなかなか難しいものだ。最近聲を張り上げるというより、心の奥からでてくる聲に重点を置いている。八月一日に行なったネパール音楽と朗読のDVDを観たがいまひとつ何かが足りないような気がする。語れば語るほど下手になって行くようだ。この下手であることを素直に受け入れれば良いのだがなかなかそうにはなれない。上手く語ろうという気持が語りを駄目にしているのかもしれない。
手の痺れや腰の痛みで「八味地黄丸」を買ってみた。ちょっと高いが二十日のライブのためには少しでも体調を良くしておきたい。抗癌剤の副作用ならいくら薬を飲んでもしょうがないのかも知れないが、腰の痛みだけは緩和したい。
今日衆議議員選挙の公示であるが、いまひとつ気が乗らない。政治は変えていかなければならない。それがどのように変えていくのかが見えてこない。ローム時代の政治をみていくといまの日本の政治は、国も国民もあまりにもばらばらすぎる。中途半端の豊かさが、国民を貧弱にしている。本当の豊かさは物の豊かさではないはずだ。これほど心の貧しさを露呈している時代はないのではなかろうか。だからこそ私は内的な聲の力を追い求めてゆきたい。人の心を豊にできる語りの世界を求めて生きてゆきたい。朗読で人の心を苦痛にさせる朗読なんてとんでもない話だ。詩人の知名度なんて朗読の世界では関係がない。あくまで自己に向かって闘っている詩人こそが求められているはずだ。人々は心を豊にしてくれる朗読を期待している。そのためにはひたすら精進していくしかない。

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