田川紀久雄日記
操車場の印刷と製本を行なう。今朝はその疲れから腕や肩が痛む。まったく感覚がない。
昨夜は蒸し暑く眠れない夜であった。ワインで初めて新潟の「岩の原」を飲んだ。千円ほどのワインだが絶妙の味である。個性のあるワインだ。創立者の川上さんの魂がいまも生きている。
詩語りも、人の心に惑わされずに、自分を信じて精進をおこなうことだ。新潟では葡萄を作るには適していない地である。それがこのような美味いワインができるなんて驚くしかない。
山本萠さんから電話が入る。十月に萠さんが個展を三鷹で行なう。そのとき宮澤賢治の「青森晩夏と銀河鉄道の夜」を語ってもらいたいとのことだ。ありがたい。手の痺れで三味線はつかえないが、肉聲で魂を込めて語りたい。日々の欠かさない精進が語りの誘いをいただくのだと思う。人によって捨てる人があれば、受け入れてくれる人も現れてくる。
熱海では交通費や公演料も一銭もなかった。そしてその後の批判には心が痛んだ。私の趣味で詩語りを行なっているのではない。自分のいのちと引き換えに行なっているのだ。夕鶴のように自分の身を削って行なっている。趣味で朗読を行っている詩人とは訳が違う。八月・九月・十月と語りの仕事がある。それに向けて精進ができる。やはり目標があると一段と精進にも力がはいる。入場料を取る以上、お客に心のお土産をさしあげられる語りを目指に生きていたい。


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