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2007年3月 1日 (木)

受贈詩集 宇田禮詩集 

宇田 禮詩集『ブナになった少年』
新読書社刊  本体2000円


のっぽの樹


ぼくが迷い込んだのはブナ林は どの樹ものっぽだった
いっとう早く朝の光にあたりたい いっとう遅く夕陽とさよならしたい
それで 背骨を伸ばしている 爪先だった樹までいる
日が沈むといっせいにブナの樹は縮んだ 力を出しきったので林中 ブウウンとうなっている
こないだまで人間だったのかな どの樹も細い腕をしている
森の奥へ移ることにでもなってブッシュを漕いだら たちまち手が付け根から取られてしまうよ



口語訳詩集
ひらがなで歩く唐詩の世界
宇田 禮訳

新読書社刊  本体2000円

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