受贈詩集 宇田禮詩集
宇田 禮詩集『ブナになった少年』
新読書社刊 本体2000円
のっぽの樹
ぼくが迷い込んだのはブナ林は どの樹ものっぽだった
いっとう早く朝の光にあたりたい いっとう遅く夕陽とさよならしたい
それで 背骨を伸ばしている 爪先だった樹までいる
日が沈むといっせいにブナの樹は縮んだ 力を出しきったので林中 ブウウンとうなっている
こないだまで人間だったのかな どの樹も細い腕をしている
森の奥へ移ることにでもなってブッシュを漕いだら たちまち手が付け根から取られてしまうよ
口語訳詩集
ひらがなで歩く唐詩の世界
宇田 禮訳
新読書社刊 本体2000円
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